航空性中耳炎
航空性中耳炎
中耳腔の気圧は外気圧と常にバランスがとれていなければなりません。外気圧が急激に変化したときに中耳の圧力がその変化に順応できないと気圧差により鼓膜に力が加わります。この力により耳がつまった感じになりますが、力が大きくなると痛みになります。さらにそのアンバランス状態が続くと鼓室の血管から出血したり、鼓室に滲出液が生じます。
ジェット旅客機は地上から1万mほど上空を飛行しますが、このときの気圧は地上より2割ほど少ない0.8気圧ほどになります。
圧力のバランスを調整する「耳管」が詰まっていたり開きにくくなっているとこの圧力変化を調整できず痛みを感じます。上昇するときより上空から空港に向けて高度を下げるときの方が航空性中耳炎になりやすい傾向があります。
予防と治療
外気圧の変化が急激であることが航空性中耳炎の原因ですのでこれを緩和する特殊な耳栓が販売されています(商品名:イヤープレーン)。空港のキオスクにも用意されているはずですので痛くなりそうな場合はこれを使うことをお勧めします。子供用・大人用があります。使用に際しては外耳道ときちんと密着させる必要があります。隙間が少しでも生じるとここから空気が出入りするので全く効果が出ません。耳垢がたまっているときは密着性が悪くなるのであらかじめきれいにしておく方がよいでしょう。